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MIE地方創生ベンチャーサミット2016 分科会

第1分科会

第1セッション:創業・イノベーション

モデレーター

  • 西村訓弘(三重大学 副学長)

スピーカー

  • 北岡義国(㈱医用工学研究所 代表取締役社長)
  • 石井芳明(経済産業省 新規産業室 新規事業調整官)
  • 村田雅行(キラメックス㈱ 代表取締役社長)
  • 時津孝康(㈱ホープ 代表取締役社長)

《概要と主な意見》

地方での創業や、地域資源の活用したイノベーションについて。技術的なイノベーションは東京に任せ、地方ではこれまでと異なったプレイヤーの参画など社会改革を行えばよい。交通、インフラ、情報網などの格差がなくなった今、地方のほうが行政や大学との連携がやりやすいメリットがある。地方だという視野を捨てて、地域を突き抜けたベンチャーを立ち上げる意識、気概を持っていきたい。今、普通に世界中で興ってきているベンチャーの人たちと対等に戦うことが、地方からでもできる日本になったことを自覚しながら創業していくのがいい。

北岡:三重で創業したことに関して、ハンディキャップを感じた事は全くない。三重の会社ということで、一つのアイデンティティーと捉えてくれるところもある。ただ、マーケットが小さいので全国に出ていく必要がある。最初から「三重から全国へ、三重から世界へ、いずれは。」という思いを抱いて始めるころが非常に重要でないかと思う。

石井:これから自治体間競争が始まる。地域がイノベーションを起すポイントは3つあると思う。首長さんがやる気になっていらっしゃるか、現場を熟知してキチンと動ける行政マンがいるかどうか、自治体の人が外に対してオープンであるかどうか。そんな自治体とベンチャーは組んで欲しいし、自治体の方はそうなって欲しい。地域の中堅企業が新しいベンチャーを応援することも大切。地銀・信金も新しいところを応援してほしい。

村田:創業するのはたやすいが、その一方で潰れていく会社も多い。自治体は創業の支援や会社をどうやってつくる仕組みやサポートをたくさん持っていると思うが、どうやって稼ぐのかというところまで創業という意味でサポートしないと本当の意味での会社は増えないでは。要はビジネスを展開していくためのツールも一緒に渡していくような工夫が必要だと思う。

時津:当社のケースで見ると、地方でも優秀な人は十分採用できる。VCも東京だけでなく、地方で割安な会社、地方で伸びる会社を探しているようだ。東京である必然はない。家賃なんて東京の半分だから、東京でなくても十分戦える状況ができてきている。地方のベンチャーは安易に本社を東京に移すべきでない。地方で突き抜けられると、全国レベルでも突き抜けられる。


第2セッション:観光

モデレーター

  • 矢ケ崎紀子(東洋大学 国際観光学科 准教授)

スピーカー

  • 濱田典保(㈱赤福 会長)
  • 佐藤 拓(㈱北海道日本ハムファイターズ チーフディレクター)
  • 山野智久(アソビュー㈱ 代表取締役社長)
  • 田中慎也(BIJIN&Co.㈱ 代表取締役社長)

《概要と主な意見》

国内旅行消費額は約23兆円。国内旅行は20兆円という世界3位の規模を持つ。観光にこれまで日が当たって来なかったのは新しい人、新しい取組、企画力不足が背景にある。地域での観光には、新しいことを考え実践する人、それを共に行う地域の力が必要。観光消費は地域経済に活性化するが、そこで生まれたいろいろな人の交流、非日常空間を楽しむとことを活かして、その次に何があるということを考えることもできる。新しいことと地域の力を組み合わせる仕組みを構築していきたい。

濱田:平成5年に三重の食、工芸品、文化を集めた「おかげ横丁」をオープンしたが、始めたときはまさにベンチャーだった。伊勢志摩は閑散期と繁忙期の差が激しい。閑散期に人を呼びこむために体験型・参加型企画を実行したところ、これが意外に受けて予約が殺到した。おそらく、観光には体験型という要素が非常に重要なのかなと思っている。

佐藤:プロ野球興行をエンターテイメントという切り口に置き換えて、半日球場に行って、子どもも女性もお年寄りも楽しめる球場づくり、演出を作りあげている。道内179市町村を応援していく意味を込めたアンバサダー事業も、自治体とのリレーションのためのCSRと捉えていたが、事業面にも貢献した。社会性の部分と事業性の部分のバランスを取ることが、最終的には自治体ともWIN-WINになる。例えば、うちのフィールドを自治体にビジネスとして使ってもらうことにより、自治体のPRにつながり、観光に結びつくような取組をしている。

山野:今、観光の選択肢、ニーズが多様化してきた。物見遊山の観光はネットで拡散されて非日常が日常化しつつある。次はネットで知った地域について、観光客が「そこに行って何をするか」ということが大事になってきた。地域資源を用いた体験を観光に活用し、今までの観光から一歩踏み込んだ取組が必要。地元の人とのふれあいが観光客との接点を深めて満足度を上げる。そういう意味でも地域の方や新しい切り口の企業間連携も非常に重要ではないかと思っている。

田中:平均値として20代女性1人は300人にネット上で情報発信するとされている。2000人が情報発信すれば60万人に伝わる。発信する地域の情報を東京で、ネット上で全て解決できるわけではない。地元のいいプロモーションの花井は地元の会社からいただける。出身地の十勝で、後輩が牛の個体管理のベンチャー企業を始めていた。牛の個体管理を東京のベンチャー企業が行うのは難しい。地域企業との連携、地元密着型でそういった新しいイノベーションを起せる事業を開発できればいいと思う。


第3セッション:新しい働き方

モデレーター

  • 吉田雄人(横須賀市長)

スピーカー

  • 松岡清一(㈱FIXER 代表取締役社長)
  • 砂金信一郎(日本マイクロソフト㈱ テクニカルエバンジェリズム部長)
  • 秋好陽介(ランサーズ㈱ 代表取締役社長)
  • 石坂 茂(㈱IBJ 代表取締役社長)

《概要と主な意見》

インターネットやプラットフォームの発達により、新しい働き方が生まれつつある。新しい働き方は東京から地方に仕事を移出する地方創生にも貢献する。在宅勤務の利点が強調されがちだが、生産人口の減少や産業寿命の短命化から要請された側面もあり、働き方自体も流動化しなければ世の中の流れから取り残される。クラウドを地方で利用することにより、地域産業の再構築を図ることができる。

松岡:クラウドの利用は、データをいつでもどこでも利用できる点にある。事務所の移転当日からでも、従前の業務を続けられる。当社は津市にクラウドセンターを作った。同じ仕事ができるのなら、環境が良く気分が良いので生産性も上がる。情報収集や受注は当面東京が有利なので、営業・企画・情報収集の拠点は東京、製造の拠点は地方にシフトするというやり方もある。日本中にいろいろな機能を持ち、企業として仕事が出来ればよいと思っている。三重で社員100名のIT企業を目指している。

砂金:グローバルで見た日本の地位は低下している。今はアメリカ本社の人もインド、中国、イスラエル、シンガポールを見ている。日本飛ばしを東京の力で解決しようとしたが限界がある。地方の力がないと、日本全体として諸外国に勝てない。クラウドを使えば時間も場所も選ばずに仕事ができる。これはクラウドの環境が整ったということは、「地方だから、東京と違うから」ということが言い訳にならなくなった。今までは「地方だから」と一歩引いていたところがあったが、時間も距離も関係なくなった地方の皆さんが次にどう動くか、ということである。

秋好:当社のクライアントの半数が東京、働き手の80%が地方。仕事が東京から地方に出ている。新しい働き方は在宅勤務等、望ましい点が強調されがちだが、生産人口の減少や産業寿命の短命化から要請された側面もある。産業寿命が自分の寿命より短くなると、複数のスキルを身につけなければならないし、働き方自体も流動化しなければ世の中の流れから取り残される。5年後、10年後にはこういう働き方が普通になっていると思う。

石坂:クラウドソーシングやプラットフォームの活用で、ビジネスのスタートを優位に切る。地方では自治体と組み自治体に旗振りをしてもらうと広告費をかけずにサービスが展開できる。スモールビジネスで構わないから、付加価値の高いビジネスを展開しないと、地域で立ち上って継続させられない。大きくするより継続することが大事。地域で小さな枠組みや小さなマーケットでもいいから安定して長く続けられるサービスを持続できる環境になれば良いなと思っている。


第2分科会

第1セッション:遊休資産活用

モデレーター

  • 﨑田恭平(日南市長)

スピーカー

  • 水落勝彦(ユメビトハウス 代表)
  • 坂根工博(国土交通省住宅局 総務課長)
  • 山下智弘(リノべる㈱ 代表取締役)
  • 重松大輔(㈱スペースマーケット 代表取締役兼CEO)

《概要と主な意見》

地方で見過ごされている場所、空間を活用することで新たな価値を見出すことができる遊休資産活用について、日南市のコアキングスペース及び各スピーカーの事例紹介があり、次に地域に眠る資産を活用することで、イノベーションをおこし、新たなビジネスの創出、雇用を掘り起こすことができる。

水落:商店街の空き店舗ツアーや飲食で起業できる場所の提供、空き店舗を活用して、ゲストハウスを運営している。自分自身、東京で起業しようとしたが、あまりうまくいかず、地方にこそチャンスがあると思った。

坂根:日本人は、土地が大事で、その上の建物は使わなくても困らない意識がある。中古住宅にも価値を見出していくこと、本当にものを使っているのかが重要である。空きスペースがあるから、活用したいのではなく、例えば、インキュベーション施設をつくりたいという思いから始まる。行政のプロとしては、失敗してもいいんじゃないか、もっと一緒にしようよと声掛けしていただきたい。

重松:空いてるスペースを別の用途に貸し出す事業をしているが、最近は都心から離れた古民家をコスプレの撮影会など意外な使われ方をしてきている。体験型の消費であり、ソーシャルばえするトレンドがはやりである。チャレンジを増やしていき、小さい成功を積みあげ、大きくしていきたい。また、地域のプレイヤーを育てることも大事である。

山下:サイト上に古い物件を集めて、それをリノベーションしたい方と工事設計したい方をマッチングしている。最近は、30代のリノベーションをしたい方が増え、民泊とかしている。服を買うような住まいづくり、ベンチャーこそできることがあり、地方こそリノベーションが必要である。


第2セッション:グローバル

モデレーター

  • 髙島宗一郎(福岡市長)

スピーカー

  • 川島勝士(㈱スタッフブリッジ 代表取締役)
  • 村上敬亮(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 内閣参事官)
  • 仮屋薗聡一(グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー)
  • 古俣大介(ピクスタ㈱ 代表取締役社長)

《概要と主な意見》

人口が減ることはマーケットも減るということであり、スケールアップするためにはグローバルは必要で、地方からグローバル化するにはどのような展開が必要か、地方はどのように変わっていくのか問題提起された。また、地方でベンチャーを生み出すには人材の確保がカギとなるが、東京から地方に出たい人も多いなど素地は整っており、既存の企業とタイアップして事業を展開していくことが成功のカギであるとの結論に至った。

川島:アパレル業界の人材派遣など多々事業をしているが、グローバルではアジアの国で求人ジャーナルを発行している。食料自給率が100%で、産業が発展していなく、働く意欲が低い発展途上国では難しい。グローバル展開は、自分たちのビジネスがその国でフィットすること及び人材育成が大事である。

村上:地域のグローバルはあたれば大きい。観光では、阿蘇のカルデラなど、敵が少ないところで勝負する。自分が何をしたいのか決まれば、既存企業に頼ればいいが、大事なのは何ができるか。東京で地域に行きたい人がいないというのは間違っている。何がやれるか、わからないから地方に行かないだけで、地方に行った方がグローバルで挑戦できる空気感が生まれれば、人材集めで圧勝できる。

仮屋薗:VCとして昨年、リーマンショック以降2000億円を超え、今年は1000億円になり、アメリカや中国に比べては少ないが、十分な額にはなっている。その中で、地方のベンチャーに投資が少ないのはなぜか。投資の決めては、最後は人であり、経営者が東京まで行かないとだめで、いくら光るものあっても、経営者自身が勉強して、東京にきて、会社を信用してもらうことが大事である。エコシステム(企業間の事業連携協業)は時間がかかるが、必ずできる。在籍している会社からスピンオフして会社を起業したり、M&Aなどを経て、網の目のような関係をつくり、クラスターに企業や大学など核となるところに人が集まり、人と人の交流がうまれ、一緒に起業したりして濃い関係をつくることが大事である。

古俣:働き方、雇用に関して言えば、インターネットを活用すれば、どこでも始められる。日本は高い位置をキープしているが、数年後にはわからない。将来的にビジネスパートナーとなりえる留学生がたくさんいるのに、徹底的に交流することが、その人達が先導役になりグローバルにつながる。


第3セッション:一次産業イノベーション

モデレーター

  • 佐藤大吾(一般財団法人ジャパンギビング代表理事)

スピーカー

  • 浅井雄一郎(㈱浅井農園 代表取締役)
  • 鈴木康友(浜松市長)
  • 山本 徹(㈱フーディソン 代表取締役CEO)
  • 髙島大介(オイシックス㈱ 代表取締役社長)

《概要と主な意見》

一次産業はTPPの議論もあったが、地域で若い人が従事しているケース、首都圏においてもベンチャー企業が参入しているケースがでてきている。一次産業の企業化、ベンチャー化を図り、経営を全面に出せば、のびしろもあるし、ビジネスチャンスがあるという、今後の一次産業のあり方について新たな提言がなされた。

浅井:三重県内で若い農業従事者を集めてみえ次世代ファーマーズ「miel(ミエル)」を組織している。全国の若手農業者とも会社をつくって海外にも展開している。応援してもらうのはお金ではなく、大事なところでアドバイスをいただくこと。三重県には若い人を育てる雰囲気がある。現在、三重大学で博士課程を取得中であり、ドクターを持つ農業者をめざしている。農業、林業、水産業、一次産業従事者には垣根はない、そこに行政、大学等が入って、地域全体が取組む体制が大事で、生産者自身も技術の共有の連携が必要である。

鈴木:浜松市は7割が森林であり、林業の再生のため、FSC(国際認証)をめざしている。オリンピックの施設にも、FSCが使われているので、売り込みをかけている。農業生産額第4位であり、経営感覚を持った人材育成にも力を入れており、農業経営塾を開講し、稼げる農業もめざしている。さらに、農協を商工会議所に入れる、農商工会議所なるものをつくっている。連携が大事で、産地の違うところが連携して、海外展開していくような形が重要である。

山本:ITを使って水産業というと、市場をとばして産直とか思われるが、そんなに簡単なものではない。既存の市場流通にITのツールを提供して機能を強化している。産地でおいしいものが、おいしい状態で届いていない課題にも取り組んでいる。物流は極めて重要で、市場は大事である。IT化できないところもあり、商品の目利きはできない分野である。価値がうもれている商品を探すことが大事である。

髙島:農業×ITで市場をとばしている。N1サミットという全国の農業経営者を集めて、議論を展開している。今年は「マーケティング」をテーマに実施し、地域ごとのブランディング、品目ごとの戦略を海外への展開で考えている。今までにない広域連携をつくったことで、今までになかったイノベーションが起こった。食材で日本が強いのは、実があるもので、高付加価値で勝負できるもの、広域のブランディングが大事で、広域の接着剤はよそものがした方がいい。

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